フィボナッチ紳士洋品店の郷間です。
最近、こんなテレビコマーシャルを観ました。
以下、文字起こしです。
ぼくのおじいちゃんはムダが好きだ
ムダにお洒落をしたり
ムダなものを集めたり
でも食べ物のムダには厳しい
すぐに食べない大根はカットしてラップ＆ジップで冷凍保存
最後までムダなく美味しく
食べ物をムダにするは人生を楽しめないぞ
おじいちゃんの口癖だ
サランラップとジップロックの「ムダが必要だ」と言うコマーシャルです。
人生を楽しんでいるおじいちゃんも、食べ物だけはムダにしない。
逆に言うと、食べ物はムダにしてはいけないが、それ以外のことはムダがなければ楽しい人生にならない、ということですね。
私の専門分野で言えば、ファッションの役割は機能面（寒暖などから身を守る）だけではなく、自己を表現する手段でもあり、哲学者の鷲田清一の言葉を借りれば「他人の視線をデコレートするもの」（つまり相手のため）とも言えます。機能面以外は「ムダ」と言えるでしょう。しかし、そのムダが人生を（もしかすると周りの人の人生まで）豊かにするのだと思います。
ファッションの世界はここ20年ほど前からでしょうか、嗜好品としての役割が弱くなって来ているように感じます。価格は安く、見た目は悪くないファストファッションが席巻し、そこで謳われているのは保温性、清涼感、薄くて軽くて…機能性の話ばかり。
あなたがムダだと思っているものは本当にムダでしょうか？
もしかすると、必要なものなのではありませんか？
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