2033年、3軒に1軒が空き家になる時代が来る。にわかに信じがたいが、何も対策しなければ、隣も向かいも空き家。日本はゴーストタウンだらけになりますね。
私事ですが、93歳の母親が亡くなって4年、今年やっと実家に買い手がつきました。父親はとっくに他界していたのでしばらく空き家でした。
台風でブロック塀が崩れた時も、近所の町内会の方が心配されたにかかわらず、ついつい放置してしまい。室内に残された大量の残置物もそのままでした。
売却が決まってから、母親が大事に飾っていた日本人形をジモティーでお譲りできて、何か吹っ切れた気分です。
家内の実家も両親が他界し、空き家の実家を7年前に売却。すでに2軒の空き家売却を経験しました。
こんな私事の狭い世界でも2軒の空き家があって、その処理に時間がかかったり、思うように売れなかったりを経験して、これがもっと郊外や地方だったら大変だなと。
今仕事でお預かりしている住宅も、もう住まなくなった地方物件や、独居で亡くなられた住居、管理が大変な別荘などなど。
なかなかの強者揃いです。
空き家は、持ち家はもちろん、賃貸住宅も然りです。
低所得の方や、高齢者で身寄りのない方、または親族と離れてる方、身障者、シングルマザーさん、要介護の方など、住居に困っている方はたくさんいらっしゃるのが現実。
住むところに困っている方がたくさんいらっしゃるのに、空き家は増えるばかり。
もちろん貸す方とすれば、独居の高齢者の方が亡くなれたら、事故物件扱いになって次の入居者を探すのに大変。
また家賃が滞ると自分の生活もままならなくなったり、余裕のある大家さんばかりではありません。
それでも、空き家になるともっと大変。利回りどころの話ではありませんよね。
維持費と固定資産税だけでも大変なのに、借り入れでアパート経営されてる方は途方に暮れます。
このままだと空き家大国になる日本、さてどうするかです。
第一は、法整備。
道路付けや、容積率の規制で建て替えが出来ない家は、結果ローンも付かないし、買い替えが促進されません。法整備や見直しがされないと、結果空き家が増えるばかり。今の建築基準法や宅建業法も古い条例ばかり。
第二は、意識。
空き家になるまでには、ご両親の他界や相続、ご自身の独立などさまざまな理由がありますが、それまで住んでいたのに、空き家になってからの家への興味が極端に薄れてしまう。こんな方がかなりいらっしゃいます。
これって第一の理由とも密接に関係しますが。
第三に、不動産評価。
行政が出している、不動産評価額というのがあって、役所に行くと誰でも見れます。構造と築年数によってはほとんど評価額がつかなかったり。まだまだ住めるのに、これじゃ誰も買わないような評価でがっくりしたりします。
これ、まさに土地神話の遺産ですよね。
まださまざまな理由はありますが、このような理由は多いのではないでしょうか。アパートの大家さんなどは、このほかにも、建物の老朽化やご自身の高齢化なども理由となります。
理由の1や3は、自分ではどうしようもないので、行政に働きかけていくしかないですが、せめて2ぐらいはなんとかしないと。
自分の家のこと、親の家のこと、もっと興味を持って空き家にならない対策を考えてあげてください。途中で諦めずに。
自分が子どもの頃から住んでいた家。近くの公園で遊んだり、勉強したり、泣いたり笑ったり。空き家にならない意識って、つまりは自分と家と半生との向き合いです。
思い出がいっぱい、あればあるほど愛情深く家と向き合えるはず。何かやり方があるはずです。
で、迷ったら、私に相談してみてください。何とかします。何とかできるはずです。
不動産仲介業
江戸一興産 塾生:遊馬